重機の買取王｜フォークリフトの用途外使用の禁止

トラックへの荷役や、倉庫内の整理などでよく使われるフォークリフト。

人の手を使わずに、大きな物を運べるということもあり、多くの倉庫・工場で使用されている乗り物です。

しかし、使い方を間違えると、大きな事故につながってしまいます。

厚生労働省や国土交通省では、そういったフォークリフトの用途外使用を禁止しています。

そこで、フォークリフトの用途外使用の注意点と事故事例などをまとめてみました。

フォークリフトの用途外使用の禁止

フォークリフトによる災害の多くは、操作や使用方法に問題があります。

また、比較的操作が簡単なため、運転経験のないものが安易に操作して災害を起こすことが多くあります。

最大荷重1t未満のフォークリフトの運転の場合は特別教育、1t以上の場合は技能講習が必要となります。

フォークリフトを主たる用途以外の用途に使用することは、原則として禁止されています。パレットを作業者を乗せてフォークリフトで昇降させてはいけません。

フォークリフトの用途外使用の禁止

事故事例

倉庫内で保管貨物（タイヤ）の手直し中、パレットの上から転落

○場所

倉庫内

○被害

重傷

○事故状況

被災者は、事故当日午後、タイヤの出庫、整理作業を行っていた。

その際、タイヤの荷崩れを手直しするため、フォークリフトのフォークにパレットを差し込み、この上に乗って整理作業をしていた。

フォークリフトは、角材で歯止めがされていた。

フォーク状のパレットは、地上約3.2mの高さにあり、被災者はパレットサポート3段積の最上段に積まれていたタイヤ（約40kg/本）の手直し中であり、そのうち5本が崩れ、それらと一緒に墜落した。

被災者は、保護帽を着用し、顎ひもで固定していた。

○原因

フォークリフトで高くリフトされたパレットの上に乗って荷（タイヤ）の手直し作業を行うという作業方法に問題があったこと。

高所での作業の際に、安全帯を使用させるなどの墜落防止措置をとっていなかったこと。

○対策

• フォークリフトのパレット上に乗っての作業は行わず、梯子、架台等を使用すること。
• やむを得ずパレット上で作業をするときは、安全帯を使用するか、又は手すりや枠のついの墜落防止措置のされたパレットを使用すること。
• 高所におけるタイヤの荷崩れを手直しする場合の作業手順書を整備士、従業者に周知徹底させること。

関連法令

【労働安全衛生法】

第20条（事業者の講ずべき措置等）

事業者は、機械等による危険を防止するため必要な措置を講じなければならない。

【労働安全衛生規則】

第151条の3（作業計画）

フォークリフト等の車両系荷役運搬機械を用いて作業を行うときは、当該作業に係る場所の広さ、地形、荷の種類等に適用する作業計画を定め、その作業計画により作業を行わなければならない。また、定められた作業計画を関係作業者に周知させなければならない。

第151条の4（作業指揮者）

フォークリフト等の車両系荷役運搬機械を用いて作業を行うときは、その作業の指揮者を定め前条の作業計画に基づき指揮を行わせなければならない。

第151条の14（主たる用途以外の使用の制限）

フォークリフト等の車両系荷役運搬機械の荷の吊り上げ、労働者の昇降等主たる用途以外の用途に使用してはならない。但し、労働者に危険を及ぼすおそれのないときはこの限りでない。

このように、フォークリフトの用途外使用には危険が伴うため、禁止されています。

フォークにさしたパレットの上で作業を行う際には、手すりや転落防止措置をとった上で作業を行いましょう。